絨毛検査ではどうやって
赤ちゃんに
染色体異常症があるか調べているの?

キャラクター:さやかさん

絨毛検査とは

超音波検査
¥27,500
妊娠11~13週ごろに精密超音波検査および十分な話し合いを行います。
※当院の初期胎児ドックを受けられた方は費用がかかりません。
絨毛検査 Gband法 + FISH法
¥187,000
Gband法
約2週間で13.18.21トリソミー、性染色体異常症に加え、顕微鏡でわかる範囲での欠失、重複、転座などがわかります。
FISH法
およそ1~3日で13.18.21トリソミーおよび性染色体がわかる検査です。

当院の絨毛検査の特徴

①十分なカウンセリングを行います。 キャラクター:ゆたか先生
絨毛検査は12週0日~14週0日に行います。
※胎盤(絨毛)の位置により検査可能な週数が変わる場合があります。
絨毛検査について迷われている場合、何度でもカウンセリングを行います。
一緒に考えていきましょう。
②超音波画像を使用します。 キャラクター:ゆたか先生
最高級の超音波画像を使用して絨毛検査を行います。
③検査結果が出た後も一緒に考えていきます。 キャラクター:ゆたか先生
検査結果が出て終わりではありません。様々な選択について、一緒に考えていきましょう。
当院ではご夫婦のお気持ちを尊重し、カウンセリングや情報提供を行います。

絨毛検査の特徴

キャラクター:さやかさん

ゆたか先生!
絨毛検査って何ですか?

キャラクター:ゆたか先生

こんにちは、さやかさん。何かあったのですか?

キャラクター:さやかさん

赤ちゃんに染色体異常症がないか心配で…
絨毛検査が13週でできると聞いたのでとても気になっています。羊水検査とは何が違うのですか?

キャラクター:ゆたか先生

そうだったのですね。絨毛検査は13週台で検査できるメリットがある一方で、デメリットもあるんですよ。
どちらの情報も正しく理解した上で、受けるかどうか選択することが大切ですね。
それでは、今回は絨毛検査について詳しく見てみましょう

キャラクター:さやかさん

はい。よろしくお願いします!

絨毛検査について

費用:¥180,000~300,000 程度

時期:妊娠12週0日~14週0日頃
※胎盤(絨毛)の位置により検査可能な週数が変わる場合があります。
※状況に応じて上記の時期以外に実施される場合もあります。

メリット
⇒13週台で21trisomyなどの染色体異常症について確定診断ができる。
デメリット
⇒お腹に針を刺すので流産のリスクがある。
染色体異常症以外の疾患は診断できない。
限局性胎盤モザイクとなる可能性がある。
※一般的に流産率は1%程度と言われています。

絨毛検査と羊水検査の違いは?

キャラクター:さやかさん

先生、早く確定診断できるなら、羊水検査よりも絨毛検査の方が良いのではないですか?

キャラクター:ゆたか先生

それがそうとも言えないんですよ。右上の表を見てください。

キャラクター:さやかさん

絨毛検査の方が価格や痛み、流産率などのデメリットが目立ちますね。

キャラクター:ゆたか先生

早く検査ができる反面、デメリットもあるということです。

キャラクター:さやかさん

そうなんですね…。一番下の胎盤モザイクってなんですか?聞いたことのない言葉です。

キャラクター:ゆたか先生

そうですよね。まだわからなくても大丈夫ですよ。
それでは、絨毛検査とはどんな検査なのか、見てみましょう。
どんな検査かわかると、胎盤モザイクについても理解しやすいと思いますよ。

※価格、痛みなどは当院の基準で記載しています。
※胎盤(絨毛)の位置により検査可能な週数が変わる場合があります。
絨毛検査 羊水検査
週数 妊娠12週0日~14週0日頃 16週0日~18週頃
価格 187000円 154000円
痛み
(針の太さ)
太めの針を使用する ので羊水検査よりは 痛みが強い 細い針を使用する ので絨毛検査より は痛みが少ない
流産率 1% 0.3%
胎盤モザイク あり なし

絨毛検査ってどんな検査?

絨毛検査イメージ:正常

胎盤に針を刺して、胎盤の細胞を採取する検査です。

  1. 検査した細胞全てが正常核型の場合
  2. 赤ちゃん自身も正常核型であることがわかります。
絨毛検査イメージ:トリソミー
  1. 検査した胎盤の細胞が全てトリソミー細胞の場合
  2. 赤ちゃん自身もトリソミーであることがわかります

胎盤モザイクとは?

胎盤モザイクイメージ

では、検査した胎盤の細胞に正常な細胞と異常な細胞が混ざっていた時、赤ちゃんはどのような状態が考えられるでしょうか?

※絨毛検査では稀ながらこのような検査結果になる場合があります。

赤ちゃんはどうなっている
可能性があるの?

以下のパターンが考えられます。

胎盤モザイクイメージ:赤ちゃんにもトリソミー細胞がある
赤ちゃんにもトリソミー細胞がある
胎盤モザイクイメージ:赤ちゃんは正常細胞のみ
赤ちゃんは正常細胞のみ
胎盤モザイクイメージ
絨毛検査で、胎盤に異常細胞が混ざっていることがわかった時、
赤ちゃん自身に異常細胞があるか、どうやって調べたらいいの?
羊水検査では、羊水中に含まれる
胎児自身の細胞を見ることができます。

マイクロアレイ検査

通常の絨毛検査、羊水検査ではGbandという方法で行います。染色体を染色して顕微鏡で観察して変化を見ます。5Mb~10Mbというレベルの変化を見つける事ができます。では、3Mbの変化は分からないのでしょうか?→分からないのです。もっと小さな単位Kbの変化も分かりません。
そこで、マイクロアレイ検査を行うと400Kb程度までの変化を見る事ができます。分かりやすく言うと、通常のGbandより約1/100のレベルの変化まで見ることができます。このレベルの変化で分かりうる疾患は、微細欠失症候群等が挙げられます。例えば、1p36欠失症候群、22q11.2欠失症候群等数多くの欠失症候群が知られています。
また、このマイクロアレイ(SNP)は、相同性というものを調べる事ができるため、片親ダイソミーという状態を調べる事が可能です。通常、ご両親から1本づつの染色体を受け継ぐのですが、片親から2本の染色体を受け継ぐ場合があり、このような場合を片親ダイソミーといいます。特に問題がない場合もありますが、例えば、15番染色体を片親から2本を受け継いだ場合、プラダーウィリ症候群、アンジェルマン症候群と言われ、疾患を発症する場合があります。
しかし、マイクロアレイ検査を受けるにあたり、以下のようなことに注意が必要です。

  1. ①細かい欠失(重複)を調べる事により、VUSといい、病的かどうか分からない欠失(重複)が見える事があります。その場合、不安になってしまう恐れがあります。
  2. ②相同性を見る事により近親婚が分かってしまう場合もあります。

上記理由により、マイクロアレイ検査を受ける場合、臨床遺伝専門医のいる施設での検査が望まれます。

絨毛検査 まとめ

キャラクター:さやかさん

なるほど。絨毛検査は13週と早い週数で検査できるけど、価格や流産リスクなどが羊水検査に比べて上がるのがデメリットですね。
しかも、もしも胎盤モザイクと結果が出たら、さらに羊水検査も受ける必要があるんですね。

キャラクター:ゆたか先生

よく理解できていますね。さやかさんの言う通り、もしも胎盤モザイクだった場合は、羊水検査も受ける必要がありますね。そうなると2回検査を受けるリスクもありますし、金額もその分かかってしまいますよね。

キャラクター:さやかさん

うーん、でも早い週数で結果を知って安心したい気持ちもあるし…どうやって選べば良いんでしょうか?

キャラクター:ゆたか先生

羊水検査・絨毛検査はどちらもお腹に針を刺す必要があるので、まずはその他の検査で、染色体異常症の可能性がどれくらいなのか、情報を集めることが大切ですね。染色体異常上の可能性が低く、16週まで待てそうなら、羊水検査の方がリスクも低いですしね。胎児ドック(超音波検査)もおすすめですよ。染色体異常症の所見のほか、疾患がないかも一緒に確認できますし、赤ちゃん自身の成長が見えるのでお母さんの安心感につながるのではないでしょうか。

キャラクター:さやかさん

そっか。胎児ドックを受けることで、選択するための情報が得られるんですね。もしも超音波検査などで染色体異常症が疑われる場合は絨毛検査、強く疑う所見はないけど念のため確認しておきたい場合は羊水検査、など赤ちゃんの状況に応じて選択することが大切ですね。

キャラクター:ゆたか先生

きちんとどんな検査なのか、本当に必要なのか、理解して選択することが大切ですね。胎児ドックについても「初期胎児精密検査」のページで詳しく説明していますので、ぜひ目を通してみてくださいね。